
ウール混の正統派椅子張り チクチクしない シモーヌ
赤字:覚えておくと便利なところ。
シモーヌの張地サンプル帳のページでは、ダークグレーの台紙を使用しています。
繊維でウールなどの毛を扱うときは、ウールの繊維の質、撚糸の状態等の品質を確認するため、飛び出ている毛が見えやすい黒や濃グレーの台紙を使って、品定めや値決めをするのが一般的です。 *この黒い紙を使うことにパテントなどありません、自由にまねしてください。 寧ろ、プロフェッショナル感が出るプレゼンになるので、そうして下さい。 この時、毛羽が出ているものは、チクチクします。
ウールを扱う人なら、濃い台紙の使用は、あたり前と言えば、あたり前ですが、意外に上記の理由を言うと驚かれたり、特許もないのに俺が発明したんだと言い張るふてぶてしい人が居たり、それを信じてしまう職人さんまでいるくらい。 ある業界での当たり前が、他の業界では当たり前と違い、利用する人が居る困ったものです。。。
下記のリンク見てもらうと、デジタルカタログでは、シロ台紙に変えています。 これは、デジタルカタログの新機能として、PDFの様に使うのではなく、専用ページを作成して、A3印刷してもらえば、そのまま簡易プレゼンできるようにしているため、グレーは不使用にしています。 そのリンクを貼っておきます。 シンコール | デジタルカタログ|椅子張 | FURNISHING TEXTILE 2023~ (sincol-group.jp)
話はそれましたが、以前のブログで取り上げたベリーニで説明したように、アクリルは化繊の中でも特に発色に優れています。 この商品では70%使用していますので、とても発色が良いです。
高品質の証である繊維長の長いウール繊維を使用しており、更に、巻き付ける様に撚糸をした毛を30%も使用していますので、チクチクしません。 私の奥さんは、チクチクアレルギーで、肌が赤くなってしまいます。 楽しい外食も、ウールのチクチク椅子があったら最悪です。 おもてなしに使う椅子、業務用の椅子は、チクチクしない高品質なウールで、かつ、撚糸の工夫がプロの仕事。
このような繊維長の長い毛を巻き付ける様に撚糸する糸を、梳毛(そもう)糸と呼びます。 漢字の通り、クシでとかして繊維方向を整えてから撚糸する方法で、スーツ地などで好んで使われている撚糸です。 ウールの毛は、繊維長が長いほど、ツヤがあり、しなやかで、短いのと比べて高級です。 ウールは、うろこがあり、湿度でそのうろこが開閉、温度調整をする役割を持っています。 羊の進化は毛にありで、凄いですね。 座っていて蒸れないなどの効果も期待できます。 夏でもウールがあるのは、こういう自然機能があるからですね。
右肩あがりの正当綾織り組織にしており、ボリュームも感じられるでしょうから、かなり椅子のグレードを上げてくれます。 価格は、高級ウールを使いながら、値上の世の中、人件費、運賃高騰という中で、大分頑張らさせて頂きました。 他にも商品が沢山あるのですが、日本中を弊社のウール&アクリル織物で埋め尽くして、レザーばかりの椅子よりも、ウール織物を椅子に張る良さを知ってもらいたく、安価にしています。 私の意地だけのプライシングです。
シモーヌの名前の由来? 私のネーミングは、半分ふざけているように思われていますが、”へえ~、意外だった”という声を聴くこともありますから、出来るだけ書くようにしています。 英語表記で、Simone。 コケティッシュな音ごこちですが、分解すると、SIM・ONE。 Sincol’s Ideal Memorable One シンコールの理想的に思い出となる逸品。
ウールの撚糸は、この梳毛の他、紡毛(ぼうもう)糸という物があり、こちらは、繊維長の短い毛を方向性を整えず、荒っぽく撚糸し、嵩高(同じ毛の分量でもボリューム感がでる)で、空気層を含むので、温かく、ツイードジャケットに使用されます。 日本人は、紡毛のチクチクが苦手な人が多く、肌が赤くなる、アレルギー反応のように痒くなるなどで、あまり向いていません。 弊社の資料ですと、昭和50年にはウール&アクリルの紡毛の平織、綾織、ナナコ織の設計、加工指示が残っていますので、ウール&アクリルツイードとして市場に出ていたと思われます。 そうそう、写真撮りをすると、発色がさえ、人が良いなと思う輝きをあることを付け加えておきます。
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