ベルハント Sincol テキスタイル紹介

テキスタイル

ボリュームある生地を、値上ラッシュの中で企画するのは大変でした。 ボリューム=重量。 原材料が高いなかでは、それなりのチャレンジでした。 ポリプロピレン糸の使用も考えましたが、そちらは無染色織物として、別枠で企画していたこともあり、悩むだけ悩んでやってみようという気持ちでスタート。

ポリエステル糸でボリュームを付けようとすると、どうしてもモール(シェニール)糸に頼りたい。
ポリエステルは化繊の中では、総じて安いプラスチック繊維と言えます。 発色が悪い、ボリュームが出にくい、ピリングが起りやすい、織るとヤセてしまう点で、元々は椅子張り向きではありません。 安価な海外製のモール糸は、毛が抜けやすく、使っている内に剥げて見た目がわるいし、正直、価格優先だけという織物が目立ちます。 デザイナーさんレベルでは、モール糸が段々飽きられている感もあり、此処では、モールを使わないことにしました。

ポリエステルは、糸に強度がありすぎて、太く撚糸するとピリング(毛玉)の発生が起りえるので、そこが工夫のしどころでした。 裏のバックコーティングをやや起毛風して樹脂の塗布量を減らす環境型を採用することで、物性がクリアでき、上出来の逸品となりました。 椅子にするとそのボリューム感が判ると思います。 運賃が出ない位の価格帯、3900円上代です。 殆どPVCレザーの価格帯と変わらず。 是非、定番にしていただきたいです。 

ベルハントの名前の由来は、有名ブランドのベルサーチが、サーチで探しているままなら、こっちは、全部探し終わってて、順に狩っているというイメージです。 最近、自分にぼやいているのですが、新しく作りたいもの、アイデアはもう全部あって、多くの基礎研究や開発には着手してたり、終わってたり。 それらをベースに商品化していくのですが、自分が企画開発できる期間(人生)では、もう終わらない量です。 人に継ぐこともないでしょうから、新しい人たちには、新しい素晴らしい発想で、作り込んでもらいたいですね。 

カタログリンクは下をクリックしてください。 A3で印刷したり、そこから物性データなどへ直接飛ぶことができますよ。 このデジタルカタログの作業量を多くしていますから見て欲しいです。
https://www.sincol-group.jp/digitalcatalog/textile2023-2/#page24

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