
クリーナは、私の経歴など彼方此方で紹介していますが、シンコー㈱に入社して営業職に就くにあたり、生涯のテーマに相応しい何かを見つけようと、休みになると県の図書館へ行き、繊維関連の文献、過去の業界紙、過去の業界新聞を沢山読んでいました。 個人毎に職に対する思いは違いますが、家業が金型&プレス業で、幼い自分は、1階が工場、2階が住まいと事務所。 会社が拡張にあたり、近所に移りましたが、常に油まみれのモノ作りにしたしんでおり、お客さんは大手の家電メーカーが中心。 来客は、常にこんなことが出来ないか?という相談というよりも、命題を与えられ、それに応えるような仕事をみてきました。 スーツ姿の彼らの仕事は、今までにない物を具現化するそのもので、仕事はそういうものという感覚が身に着いたと思います。
勿論、シンコーの営業は、商品のプロであり、素材の知識、製造の知識、椅子加工にしたときの物性面の知識、ユーザーが喜ぶ色や柄の知識、沢山の勉強や課題をステップアップするように覚えないとナンバーワンになれません。 業界がニッチェだけに、ナンバーワン イコール オンリーワン。 オンリーワンだから良いという世界ではありません。 市場が小さく、それでは食べられませんから。
そうした中で、3大合繊 ナイロン、アクリル、ポリエステルと、それぞれの進化過程や世間のニーズ、即した特徴という流れがあり、次はどんな繊維が発展するのか?という目線であたりをつけたのが、オレフィンという樹脂でした。 PP繊維は、ナイロンの代替として既にカーペットには使われていましたが、市場が小さい椅子張りには、当時は生産上不向きであり、見向きもされませんでした。
そこで、椅子用の織物には使われていなかったオレフィン(ポリプロピレン)系樹脂
をテーマにし、勉強、研究をスタートしました。 当時の日本では、糸は、流通がロックされていて、特定の会社でしか扱えないというアドバンテージを与えて、販促されていることが多く、使ってみたかった糸が他社に独占されていて、使用できませんでした。 それでも、試作という形で、使用させてもらい、加工温度は低いわ、まともに撚糸は出来ないわ、織れば滑って不良個所だらけだわで、とても使えるものでは在りませんでした。 大阪に多かった大手繊維メーカーへ飛び込みで行って相談したり、小僧が何しに来た?という感じで相手にされませんでしたが、こうした面通しが、後々、助かったものです。 別件で問題を抱えいたときに、あの時のお前か?というので、助けてもらったり、東南アジアへの投資ブームの際にも、現地で案内してもらったりと、思いでだらけです。
それから20年。 オリジナルの糸をつくる3度目のチャレンジで、素晴らしい糸が完成。 その糸で織ったものが、クリーナでした。 一部の色の堅牢度が確保できずに、その色を省いてスタートしましたが、少しずつ、改良限度を上げて、色をミックス撚糸してなら、使えるようになっています。
又、クリーナは、ノロウィルス対策で、次亜塩素酸で拭いても良いように改良を加え、結果的には、コロナ禍でも活躍です。 O-157やノロウィルスなど、アルコール消毒では効果がないものでも、次亜塩素酸でふき取れるので、ホテル、飲食、公共施設に向いている、唯一無二の商品となりました。
クリーナの名称は、Clean 拭いて清潔を保つというイメージ名で、凝ったものではありませんが、後の多くの織物へ発展しています。 糸が滑らないように、打ち込みを増やしているので、可也頑丈です。 ペットを飼う家で、糸が切れにくく、拭けるので、もっぱら評判で、ペット雑誌でも取り上げて頂いています。
パスタ、エイガ、ワイモード、アポナスタ、ペシペッシュ、シグネイチャーのように、クリーナの成功を受けて、バリエーション開発したものです。
A3のプレゼンバージョンのデジタルカタログは此方へ https://www.sincol-group.jp/digitalcatalog/textile2023-2/#page64
B5のサンプルバーションのデジタルカタログは此方へ https://www.sincol-group.jp/digitalcatalog/textile2023-3/#page248
注釈:
名古屋のシンコー(私の会社)では、別注織の対応をしていて、バリエーション豊富に無染色織物 BizVAブランドとして、PRをしています。 無染色とは、糸が樹脂の時に色を付けてしまい、染色工程を省くことで、染色に使用する膨大な水、乾燥させるエネルギーが不要になるだけではありません。 その他の加工する温度も低いので、50%以上のエネルギーがセーブでき、エネルギーがCO2だとすると、CO2も半分で良いということになります。 まさに王道エコ商品といえるでしょう。 さらに、次亜塩素酸で拭いても色が落ちない、ノロウィルスやO-157等のアルコール消毒では効果がありませんが、これなら大丈夫という大きなおまけ付ですが、これは膨大な時間と労力をかけて改良してきた結果です。 他社は真似すれば良いだけですから、発信源の様なフリをすることが多いのですが、これは本家本元だと断言できます。
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