
様々な種類の椅子に対応させる柄を作り込むのは大変です。 同時進行で何十種類も新商品をつくっているので、アイデアの具現化作業は難航を極めます。 流行りの柄で食べるテキスタイルデザイナーと違い、様々なタイプの商品を提供して喜んで貰うのが工業デザイナーの使命。 苦労するポイントも、評価されて満足する点も違うわけです。
開発案件の中で、小紋柄の一つとして、丸を使ったデザインというテーマがありました。 丸柄は、一直線に並ばないと奇麗に見えません。 又、単調なので、実は工業的にはお金が取れない(デザイナーと名乗ってとっているケースもあります。 シンプルな構造なので、それで儲かるのが羨ましい)。
常識にとらわれない作り、それがこの商品のポイントです。 使ってみると、そういうことなのね、と、裁断ロスが少なく、更に柄が収まるのが理解できるはずです。 何度も、試作プリントを椅子に張っては、最高を求めて変更、調整していますから。
その秘密が、縦横が一直線にならないリピートづくりにあります。 簡単にバラしていて、秘密ではなさそうですが、脳の中の無限の宇宙空間で何度もシミュレーションしていますから、簡単に真似できません。 〇柄を線に並べると、左右上下に揺らいでいますね。 この揺らぎが、ありそうでない逸品の理由です。 使ってみないと分らないのが、今回のサンプル帳の特徴になっていますが、そこは意図していません。 新しいものばかリで、想像だにつかないというのが正確ですね。
業務用椅子のブランドにも採用されたのを見て、従来の傾向と違う商品の切り口だけに、選ぶ人が変わったな~と思っていて、機会あるときに聞くと、やはり敏感な若手が選んだようです。 写真映えは抜群で、嬉しい限りです。
ニバコ のA3のプレゼンバージョンのデジタルカタログは此方へ
https://www.sincol-group.jp/digitalcatalog/leather2024-2/#page38
ニバコ のB5のサンプルバーションのデジタルカタログは此方へ
https://sincol-group.jp/digitalcatalog/leather2024-3/#page108
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