Sincol レザー トリプルDE の紹介

レザー

歴史に残る名品 トリプルが 3Dプリントで欠点を克服し、生まれ変わりました

トリプルは、およそ30年も前、一つの商品に多くの機能がなかったPVCレザーが主流だった時代に、抗菌、防汚、耐アルコールの3つの機能をうたった、多機能レザー時代の幕開けとなった商品です。

謳い文句が欲しい家具売り場の現場の声に応え、爆発的な売上を記録。 次第に、オールマイティーの出荷量に迫る大ヒット商品となりました。 我ながら分析すると、それまでは、どこかユーザーの間で、塩化ビニルレザーは安物だ!というイメージが強く、多機能にすること販売価格を上げざるをえず、価格が上がると売れないのが常識だったと思います。 当時は、同光レザーが、同業のライバルであり、彼らはディフェンスというレザーを販売。 熾烈なシェア取り合戦を繰り広げました。

それでも価格ありき、バランスのよい3つの機能にして、コストも抑えていたと思います。 しかし、トリプルには、大きなデメリットがありました。 無地でありながら、深めのシボを採用しており、特徴のある顔立ちで、椅子に張ると立派に見える反面、深いシボに手垢や油が入り込み、シボが黒ずんで見えてしまうのです。 爪楊枝にガーゼを巻き付けて丁寧に拭けば取れますが、普通に拭いてしまうと、シボのおくまで布があたらず、汚れが取れません。 油仕事が多い現場などでは、直ぐに見栄えが悪くなることで、次第に、汚れが落ちやすいワイパーなどに売上が分散されるようになり、最後には廃盤となりました。

私が、PVCレザー開発マンとしても、商品開発を任せられると、レザーの個性として持つ性能から、決して安物ではないと悟ります。 コストを下げて、安物にするから、印象の悪い商品になってしまうと痛感。 自信をつけたのが、ワイパーの開発です。 架橋させる被膜によって、汚れを簡単に拭き取ることができる機能ですが、流通量と技術の問題もあり価格が2倍と高い。 可也の時間をかけて、コストダウンを重ねて、商品化していますが、それでも価格は一般レザーより、3割高です。 それでも、多くのリピートファンが着いて、売れる商品の一つに育ちます。
 
良いものを作ると、高くても売れる。 それだけでなく、超高耐久になり長く使えて返って、生涯コストが下がることにも気が付きます。 レザーは、安物ではない。 商品づくりの根本を変えて行くことになりました。 丁度、中国などから、安いレザーが紹介され、椅子メーカーさんに採用される例が出てきます。 営業現場からは、日本製は高くて売れないという声がでましたが、一巡すれば、戻ってくる。 日本のお客さんは、長く使えることを尊ぶ、我慢の時期だと言って、ひたすら商品のグレードを上げて行きました。 海外レザーが、直ぐに硬化する、敗れる、ぼろぼろになる、クレームになるも、保証がない。 弊社は、粗悪レザーを無料で分析してあげるサービスを展開します。 

例えば、赤外線分光試験機で、使われている原子の種類とその量を解析し、データ化。 欠点を科学的見地で見抜きます。 又、再現試験をして、どういうメカニズムで破壊が進むのかも理解できました。 日本のレザーの改良には、なんの参考にならない位に粗悪でしたが、荷重がどこに掛かりやすい、張り方でどこが弱いか、破壊されるかなどは参考になり、伸び率の適正などが理解できました。

その頃には、オールマイティーの改良に入ります。 あらゆる点で変更を繰り返し、今は、35年前と中身が違う、クレームが粗無い世界トップのレザーになっています。

さて、このトリプルDEは、シボが深く見える細工をして、当時のトリプルを再現しています。 機能は、トリプルの名の所以たる、抗菌/防汚/耐アルコール のほか、耐次亜塩素酸、耐移行、難燃と充実しております。 DEは、Dimension Experience 立体表現を経験してくださいという意味です。

トリプルDE のA3のプレゼンバージョンのデジタルカタログは此方へ
https://www.sincol-group.jp/digitalcatalog/leather2024-2/#page34

トリプルのB5のサンプルバーションのデジタルカタログは此方へ
https://sincol-group.jp/digitalcatalog/leather2024-3/#page82

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