新商品 ワールドの出来栄え

レザー

Sincol Leather の新しいサンプル帳の新商品、ワールドが本物の織物に見えるという声を聴いて嬉しい限りです。 見栄えって、熟練は別にして、普通は、使わないと分かりませんよね。 私は、この椅子をみて、本物と間違えて撮影するレザーはどこ?と聞いてしまったぐらい。 プロデュースした私が分からなかったという話です。 ポイントは、元画像を拡大していき、遠近を付けて3D化しているところです。 プリントレザーの新しい時代の幕開け的手法と自画自賛しています。

ワールドは、ウールのクリンプをプリントで表現。 写真技術が良いので、其のままで本物に見えるかといえば、不思議。 写真でしかありません。 人の目がとらえる一瞬、というと、印象派の様なイメージをされると思いますが、人の目がとらえて脳に記憶する時の概要をプリントしているイメージで作っています。

昨日は繊研新聞さんから、サステイナビリティーについて取材を受けました。
塩化ビニルの原材料の60%以上が、海から得る無尽蔵の塩素であり、それは海から苛性ソーダをつくるときの副産物でもあります。 苛性ソーダ需要に応じて生まれる大量の塩素を循環させることができるのが塩化ビニル素材。 多くは、水の用途。 コンクリートの土管では、地震大国の日本では割れてしまいますが、塩ビはある程度柔軟性があり、最低限のインフラ修繕で復帰できる素材。雨どいにも使われてます。 壁紙も、塩化ビニルで出来ていますね。 私が使う椅子用の塩化ビニルは、その産業の消費においては大したことが無いかもしれません。 それでも、20年、30年使える、一度作れば廃棄する機会も少ない高耐久こそが、環境対策であるとしてというよりも、当初は”こんな良い素材を勿体ない”という発想で、同業者でも手を付けていない高耐久レザーの開発に全霊を尽くしてきました。 そのレシピは同業他社でも使えるものでもあり、結果、日本国と他国の塩化ビニルレザーで、品質が大きく異なることになったわけです。 それも、人ありき。 人が、物を大切にする気持ちで生活を営むようになることが真のサステナビリティだと思います。

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